女御主人様から頂く呼びつけにはいつも緊張がはしります。
特に不手際があった際など女御主人様の不快感が伝わってくる場合は、自分の不注意を後悔して逃げ出したい気持ちになります。
キャンプのお食事中、何度か女御主人様の飲み物をお注ぎすることがありました。
お酒は無くなる少し前、。でも会話の途中で割入る事もできず、後ろのほうでタイミングを見計らっておりました。そして、恐る恐るお側に近寄ります。
「失礼いたします、お飲物はいかがでしょうか?」伺うと
女御主人様は冷たく「同じもの」と一言。また談笑を続けられます。
僕は「はい。」と答えると急いでお酒を取りにいきました。
先程の女御主人様の口調がいつもより厳しい事が気にかかり、心の中で「伺うタイミングが遅れたのかもしれない…」と不安になりました。
お持ちする際には改めて、後ろから「すみません、、失礼いたします。」と一言申し上げお注ぎします。
女御主人様は背を向けたまま、給仕している私には一目くれず、会話を続けられていらっしゃいます。
僕は邪魔にならないようにそっとその場を離れ、また部屋の端に待機しました。
美味しそうにお酒を飲まれる女御主人様の後ろ姿を見つめて、また、改めて立場の違いを認識させられました。
日常では、仮に相手のグラスが空いてしまったとしても叱責したり、されたりする事はあまり少ないですよね。
また、何かをしてくれた相手には「ありがとう」など言葉を返したりします。対等な関係ですから。
SM関係では、奴隷が支配者から感謝を述べられる事なんて殆どありません。
何かをする事が奴隷の義務ですからできないことは叱責の対象となってしまいます。
(単なるいいがかりというものも含めて、。。)
いつご指摘を頂くことになるかわからない恐怖心もあり、事あるごとに謝意を述べ一挙一動に萎縮してしまうことになります。
余談になりますが、僕は普段から相手に何かをしてもらうのがどっちかというと苦手、。
なぜか申し訳なくなってしまうのです。
きっと、支配者には向いていないんだろうなぁと思います。